甘くて曖昧で儚いもの

思ったことの個人的整理用。ただの感想のときもステマ的な時もあります。悪しからず。

時代とアイドル

 これを考えるきっかけとなったのは最近も最近「見つかった」感のある伊野尾くんだ。
 
 なぜ“今”見つかったのだろうか。伊野尾慧はずっとそこにいたのに。顔が可愛くなった?キャラが立ってきた?ジャンプ自体の人気によるものか…?



 アイドルは、人気商売だというように特にジャニーズにおいてはひとりの人間を商品化した壮大なエンタテイメントである。
 実際の生活も、性格も何も知らない歌って踊っているのを見ているだけで全てを知っているわけではないと言うが、では、あなたの家族や友人の全てを知っているのですかと問いたい。これは別にアイドルなんてという意見に対する擁護でもなんでもなく、一面を見ている、とはいえそれもその人そのものだし、その人が所有し表現するその人の一部だと思うからだ。人は誰しも他人のことを全て知っているわけでも理解できているわけでもない。実に曖昧で抽象的な世界を生きているのだ。

 そして、服や家電やそれら商品に流行り廃りがあるようにアイドルにもそれはある。
なぜなら、それぞれの時代があるからだ。そしてアイドルは時代を生きる「生物(なまもの)」だからだ。アイドルと時代は切っても切り離せない(と、私は思う。)

 アイドルの人気がなくなるのはその人自身の変化より、その人に対する評価の変化によるもののように思う。(もちろん、売れる売れないの話なら楽曲や作品等のセンスもあるが。)
 その人は変わらないのに、時代が変わる。世代が変わる。応援していた人が大人になる。消費者の世代がまるごとかわる。アイドルはいつだってそこにいるのに。変わらないのに。(変わることもあるだろうが人としてめっきり変わるということはないという前提で)



 アイドルと時代の関係性を大まかに5つにわけて当てはめ推測してみた。(完全なる主観です。こんなやつもいるんだなと思っていただけると幸いです。)


①時代を作った
②時代が来た
③時代が追いついた
④時代と生きている
⑤時代が生んだ





 時代を作った、その通り、アイドル(またはグループ)によってイチ時代を築き上げた様で、これを私はKAT-TUNに見る。
 それまでのアイドル像とは明らかに違ったKAT-TUN。刺激的で暴力的なまでな魅力が、彼らにはあった。私が世代ど真ん中という事もあるだろうが、学校は赤西派か、亀梨派かでわれたし、その会話が一般的にできるほどKAT-TUNの人気は爆発的そのものだった。
 悪そうで遊んでそうでガツガツしてて危うくて。そんな彼らが世の中を席巻した、そんな時代が、KAT-TUNの時代がそこにはあった。



 その人の、またはそのグループの、「時代」が来た。時代が向こうからやってくると定義する。
これを伊野尾くんに当てたい。
 まさに、時代がやってきたのである。到来したのである。伊野尾くんが引き寄せたのでも、合わせに行ったのでもなくこの時代がまるで運命のように、回ってきたのだ。それは順番で来るようなものでもなく、光があたってしまう白羽の矢が立ってしまうようなものだと思う。



 アイドルたちのほうが先取りしていたところに「時代」がやっとおいつくこと。
これを関ジャニ∞に。私が応援していたことももちろんあるが、彼らはもうずっと前から変わらないスタンスで、光こそあたってないけど確実にいつか芽が出る、そのタイプに見えた。
笑いに積極的で、楽曲はジャニーズトンチキなもの、関西色の強いもの、演歌調、ロカビリー、、からなんでもやる。バンドもできるし、ダンスもできるし、アイドルなのにプライベート(恋人の話とかどぎつい下ネタとか)を話すこともある。アイドルとしてとってもがちゃがちゃしてて雑種でしかない。だけど絶対人気は出る、と確信できるようなものだった。
そして当時は時代がまだそれらを求めてなかっただけで、ようやっと、近年追いついたように思うのだ。



 時代とともに歩み、活動し生きていること。
これはSMAPに捧げたい。
木村くんは時として「時代を抱いた男」とも言われる。そうとっても構わないかもしれない。
 SMAPはまさしく、その時代その時代に寄り添い歩んできている。嫌なことも楽しいことも困難なことも全部一緒に引き受けてきた。だからこそ、時代は彼らにとってまるで無二の親友かのようで、その比喩通り、いつもSMAPは時代の中心だし、出てきた時からアイドルの最先端でど真ん中だ。



 時代が生み出した現象としてのアイドル。
嵐だ。

 SMAPと似ているようでそうでない。嵐は時代が生み出したアイドルだ。
 この時代の、この瞬間のいまだからこそ生まれた嵐だから強い。時代と生きているわけではないから、クセの強さもない。
 ごく普通に生き、生活するお兄さんたちのような雰囲気を常にまとい、ものすごいギラつきも、普通にはしないような派手なことも、周りにはいないような悪そうさも、全然ない。そのニーズや求められたままに生み出された現象のようなものだ。
 人々に強いくせのある印象を残さない代わりに、ナチュラルに存在することで確実な人気を手にした嵐。




と、とりとめのないことを整理したいがためにまとめてみたので、私がこれと思うグループを当てただけである上に、これといってなにとないが、
アイドルは時代といかに関わっていくか、は人気の増減に大きく関わるということだけははっきり言えるだろう。


終わり